大判例

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名古屋高等裁判所 昭和29年(う)1081号 判決

賍物牙保罪は、所論の通り、賍物たるの情を知りながら、賍品の売買の仲介斡旋の労を尽すことによつて成立するもので、犯人自らが賍物の売買につき、買主と接渉し代金又は賍物の授受を為すことまでは必要としない。従つて、仮りに被告人が所論の通り、窃盗犯人を賍物の買主方に案内誘導し、窃盗犯人が賍物の売買につき買主と交渉したとするも、被告人の右の行為は、賍物の売買の仲介斡旋と認むることができるから、原判決には賍物牙保罪の解釈適用につき法令違反はない。しかのみならず、被告人は、原審公判廷で、原判決認定の犯罪事実全部を自白して居り、被告人の検察官に対する供述調書によれば、被告人は、窃盗犯人渡辺光春と共に原判決(四)のタンカロイバイトを運び、買主を探し、買主である平尾慎方に到り渡辺と共に売却した事実が認められ、平尾慎の司法巡査に対する供述調書によれば、被告人は渡辺と共に平尾方に賍物を運び共に交渉して売買したことが認められるので、被告人の行為は、窃盗犯人が賍物を売却するに際し、買主方まで単純に道案内しただけではなく、売買行為にまで協力したことが明らかであるから、賍物牙保罪を構成することは、明らかである。従つて原判決には、事実誤認又は法令違反はなく、論旨は、理由がない。

(裁判長判事 高城運七 判事 柳沢節夫 判事 赤間鎮雄)

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